top of page
  • Baseball-Knowledge

「チームを選ぶ時」に必要な要素は?


今年もNPBのドラフトが終了しました。

アマチュア選手が活躍の場をプロ野球に移して、新たな挑戦が始まります。

最近、「チーム選び」に関する相談をよく頂きます。

「チーム自体の強さ」「優れた選手が居る」「ハード面の環境が整っている」「立派な指導者がいる」「保護者の関係性」など、「どういうところを重視した方が良いですか?」という質問を頂きます。

私はチームを選択する要素は「環境」などの外的な要因ではなく、選手本人の内面的な要素にあるべきだと思います。もう少し具体的に言うと「ここで勝ちたい」「ここで成長したい」「あの選手に勝ちたい」といった要素です。

私の話になりますが、私自身は進路で最も悩んだのは高校進学の時でした。

様々な学校からお声をかけて頂いていましたが、最終的には50年以上甲子園に出場していない地元の進学校を選びました。その理由は「野球の強い学校で甲子園に行くのではなく、学業との両立を目指しながら強豪校を倒してこの学校を半世紀ぶりの甲子園に導く」ということに最も自分が興味を持てたからです。

「自分で決めたこと」は言い訳ができないので、高校に入学してからもその目標を忘れたことはありませんでした。最初は思い通りの結果が出なくても「難しいことに挑戦しているという自負」は生活に充実感もありました。仲間にも恵まれて最終的には母校にとって56年ぶりの甲子園出場を果たした訳ですが、今でもその経験は仕事などに取り組む上でのエネルギーの源泉になっています。

「他人に勧められた」「設備が充実している」「実績がある」といった外的な要素に依存して環境を選択した場合、良い結果が出ない時にも「練習時間が足りない」「誰々に騙された」「あいつのせいで負けた」など、原因を外的な要素に求める傾向が強くなります。主体性も形成されないので考え方やプレーも消極的になります。仕事でも同じです。「会社の知名度」「待遇」などを理由に入社する人は、会社に依存する傾向があり、なかなか責任ある仕事を担う人には育ちません。

「強豪チームでレベルの高い仲間に揉まれることでより高いレベルの選手を目指す」という考え方もあれば、「弱小チームを自分が牽引して強いチームに変えていく」「環境のハンデを克服して設備の整ったチームに勝つ」など、どんな目標でも良いと思います。チーム選びに「あらかじめ用意された正解」なんてありません。「正解は自分の努力で造る」という考え方が必要では?と思います。

うちのチームの選手はダイヤモンドも作れないような河川敷でも一生懸命練習している選手もいます。そういう選手は着実に上達しています。

日本ではドラフトで指名されないとプロ野球選手にはなれません。意中の球団に指名されることもあれば、そうでない場合もあるでしょう。早々に「12球団OK」と宣言する選手も居れば、「指名してくれなかった球団を見返してやる!」と思いを新たにしている選手も居ると思います。

「やるぞ!」というモチベーションの源泉を内面に持った選手が新たな環境でも結果を出す確率が高いと思います。


閲覧数:649回0件のコメント

最新記事

すべて表示

選手が成長するのは技術だけではない

週末は春の公式戦に向けた最後のオープン戦を行うために千葉県まで遠征しました。 うちにある故障中の1年生選手がいます。 最近、腰痛によって戦線を離脱しました。今回の公式戦出場は難しく、今回の遠征も帯同はしているものの、試合出場は見送ることにしました。 球場に到着して、鍵が開くまでの間、選手は球場周辺のスペースを使ってウォームアップを行います。当然私は選手のコンディションを診るためにアップを注視してい

「求めあうこと」より「与えあうこと」

「企業」は経営者と労働者が存在し、労働者は「労働」と「対価」のバランスによって成り立っています。対価(=給料)を貰うために労働が求められ、組織全体の生産性を高めるために会社の規則を遵守することを求められます。対価の代わりに何かしらの「権利」によって労働が報われる場合もあります。つまり労働者が「権利」を主張するのもその背景には「労働」があるからこそ成り立ちます。「労働者」「経営者」それぞれにプロフェ

「厳しさ」と「過干渉」は別物

子どもは周辺にいる大人の影響を受けて成長します。 何事においても一番近くにいる大人といえば「保護者」ですし、学業であれば学校の先生、野球であればグラウンドにいる指導者かも知れません。 「私は我が子を甘やかしています」と公言する保護者はほとんどいないと思います。「立派な人に成長して欲しい」という想いを持って、時に優しく、時に厳しく育てていると思います。 さて「厳しさ」とは何でしょう? 「あれやった?

bottom of page