先日、学童野球コーチ時代に指導していた選手から「バッティングを診て欲しい」と相談されて、先月から2度ほど指導させて頂きました。
その子は中学2年生ですがうちのチームの選手ではありません。でも私にはそんなことは関係ないのです。自分の息子だろうが、他所の子だろうが、他所のチームの選手だろうが、努力している選手はみんな大好きです。その選手が助けを求めているわけですから手を差し伸べないわけにはいきません。
近所のバッティングセンターで待ち合わせをして指導を行いました。
その選手は右打者ですが、インパクトの時に左脇が上がることでバットのヘッドが走らず、打球にトップスピンがかかってしまう癖がありました。その選手はもともと遠くに飛ばしたかったのでしょう。アッパースイング気味に振り、ヘッドが抜けないために打球が上がらないのが原因でした。
「まずは左手首の角度だけに気をつけて振ろう」
「次はインパクトからフォロースルーの形にこだわって振ろう」
「今までやったことを実践しながらバックスピンの打球を打とう」
と順番にテーマを絞り込み、集中して課題に取り組むようにしました。
もともと小学生の時から能力は高く、しかも真面目に努力する子だったので比較的早く修正効果が出てきました。
慣れないフォームで窮屈そうに、でも一生懸命ティー打撃に取り組む選手を診ているとこちらも情が移ります。「最後は気持ちよく振らせてやりたい」と思い、
「だいたいスイングは直ったよ。最後は体勢を崩してもいいので、レフトポール際にホームランを打ち込むつもりで振ってみよう」
その選手は気持ち良さそうにヘッドの抜けたスイングで綺麗なバックスピンの打球を繰り返し放ち、打ち終わった後にはとても清々しい表情になっていました。
「実戦」「実戦形式の練習」はどうしても結果を求めてしまい、技術的な修正が進みにくいように思います。
基礎技術を習得する時は「実戦を想定して」ではなく「練習は練習」という割り切る方が技術の習得に集中しやすいように思います。
今はチームが違うので、その選手が試合に出ている姿を見ることはほとんどありません。だからこそ私と一緒に練習する時は「練習は練習」と割り切るにはちょうど良いのかも?と思いました。
また練習に集中したい時にはいつでも声をかけてちょうだい。
たとえチームを離れても、いつだって仲間だから。