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Baseball-Knowledge

野球における『確率』に関する考察②


前回は野球における「確率」を判断材料にした考え方について書きました。今回は「確率を造る」ということについて書きたいと思います。

私はよく投手を指導する時に「如何にして1ボール2ストライクの状況を創り出すか」という話をします。相手が高校生になると「2ボール1ストライクの状況で自信を持って投げられる変化球をマスターすること」を要求します。これができると「勝てる投手」になる確率が上がるからです。

三振の前は当然「2ストライク」な訳ですが、その中で最も多いのは「1ボール2ストライク」です。これはストレートも変化球も、ストライクでもボール球でも投げられるカウントだからだと思います。相手打者が最も狙い球を絞りにくい状況です。実は「0ボール2ストライク」そこから打たれると監督に叱られるので外角のボール球、もしくはそれに近い球を投げることが多いので、3球三振って意外と多くありません

「2ボール1ストライク」は投手としては3ボールにしたくない場面です。ストライクゾーンに投げたいのが心理です。打撃側からは「バッティングカウント」とも言われます。ここでストレートしか投げられない投手は痛打される確率が上がります。「3ボールになる覚悟で変化球を投げられること」「3ボールにしても次にストライクを取る自信があること」がこのカウントで攻める姿勢を保てる条件になります。

これは

「抑える確率を高める手法を持っているか?」

「打たれる確率が高くなる状況を回避できる方法を持っているか?」

を意味します。私は打者としては左打者で、右投手のスライダーを打つのが得意でしたが、高校時代に「相手投手がスライダーを投げざるを得ない状況」を創り出すために外角のストレートを三塁側にファールを打つ練習に取り組んだこともあります。

確率に囚われると作戦や技術は限定的なものになります。

しかし「確率」をうまく利用すれば逆に選択肢は膨らみます

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