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反復練習は七分の力で良いのでは?


野球の練習には少なからず反復練習があります。反復練習の目的は大きく分けて3つあると考えられます。

①技術の向上

②体力の向上

③集中力の向上

素振りやキャッチボール、投球練習などは①に相当すると思います。筋力トレーニングやベースランニングなどは②に相当するでしょう。③は①と②のどちらでも取組姿勢によって形成されるものだと思います。私はこの「目的」によって取り組み方が違うように思います。特に今日は①について書きたいと思います。

「技術の向上」を目的とした反復練習の場合、もっとも大切なことは「動作精度」に対する意識を高く持つことだと思います。しかしこの「動作精度」にとって大敵があります。それは「力み」と「疲れ」です。よくテレビで投手の制球が定まらない時に「力みが見られますね」という解説がされるように、力みは体のバランスを崩し、動作の精度を落とします。例えば「スローイングの精度を高めたい」という目的でスローイング練習をしたとしても、全力で投げるとその精度は上がりにくいように思います。むしろ動作が安定しない中で強度の高いスローイングを繰り返すことは故障に繋がる恐れがあります。私も現役時代にクイックスローのキャッチボールを1時間課せられたことがありましたが、そんな練習は故障のリスクが高くなるため、とてもナンセンスなメニューだと思います。技術向上を目的とするなら、ひとつひとつの動作精度を高めるためにも七分くらいの力で確実に動作をこなす方が安全で効果も高いと思います。

特に疲れてきた時には動作が崩れるので、いつもと違う動きをすることでいつもとは違う部位に負荷がかかり、思わぬ故障に発展する時があります。特にスローイング練習は少し脱力したくらいの力感で取り組んだ方が良いように思います。

練習は目的ではなく、あくまでも手段です。

反復練習を行う時には①〜③の目的を明確にし、目的にあった強度で取り組むことが効果を高め、選手を故障から守るように思います。目的が変われば同じ「100本ノック」でもやり方が違います。体力の向上が目的であれば極論を言えば取れなくてもいいと思います。「一生懸命追いかけること」それだけで十分です。しかし技術の向上を目的とするなら、ノッカーは比較的正面に近いゴロを打って上手く捕れる方法を模索するような内容になると思います。

これから少しずつ反復練習も増える季節です。目的を明確にして取り組みたいですね。

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