「全力疾走」を求める指導者は多数いると思います。
では選手から「なぜ『全力疾走』が大事なんですか?」と質問された時、どのように答えるでしょうか?「これが正解」というものはないと思いますが、私は以前、選手に対してこんな話をしたことがあります。
キミたちは我々大人と違って、身体が大きくなっている子も居れば、筋力が向上している子も居る。技術だって向上している。だから『昨日より打球が飛ぶ』『昨日よりも速い球が投げられる』『昨日よりも早く走れる』と実感する日があるはずだ。
でもね、一生懸命走らないと、君たちは自分自身の変化に気づかないことになる。『このボールは捕れないな』と思っていても、一生懸命打球を追いかけてみたら『アレっ、捕れた』ということだってあるかも知れない。でもそこで抜いてしまうと、せっかくの自分の『進化』に気付かないでプレーしてしまう。勿体無い。
俺はもう体力的に『去年は捕れたのに・・・』と思うことがだんだん増えてくる年齢だ。でも君たちは違う。
まだ君たちは知恵も発達するし、体力も向上する。昨日できなかったことが今日できるようになるかも知れない。だから『今日はもっと速く走れるかも?』と、自分に期待して全力疾走をして欲しい。
「上手くなる選手」って、やはりどこかで自分に期待しています。「もっとで
きる」「俺はこんなものじゃない」と思って努力をしています。同じ練習メニューでもやらされているのではなく、「未来の自分」に期待して努力を継続していると思います。
野球少年少女の皆さんには、「昨日とは違う自分に会えること」に期待して、いつも全力疾走を心がけて欲しいです。