学童野球の練習を見学していた時のことです。
凄く声の出ている子が守備練習をしていました。決して上手ではないですが、一生懸命走ってボールを追いかけていました。
そうするとあまりにも一生懸命追いかけ過ぎて、ボールを追い越してしまいました。周囲の子は大笑い。そこでノックを打っていた指導者は他の指導者に「今の見た?俺あんなプレー初めて見たよ」と笑いかけていました。
私はその時「子どもが笑うのは仕方ない。でも、なんで指導者まで一緒になって茶化しているんだろう?」と疑問に思いました。場を和ませようと思ったのでしょうか。指導者は練習時間の雰囲気を作るのも大事な仕事です。そのシーンで一番大切なのは場を和ませることだったのでしょうか?
真剣に取り組んだことを茶化されると、子どもは真剣に取り組むことを徐々にやめていきます。ましてや今の子どもは大人の反応に対してとても敏感です。私が練習中に子どもを茶化すのは、小手先だけで格好良くプレーしようとして失敗したときだけです。それは丁寧にプレーすることを促すためです。
「真剣にプレーすること」はプレイヤーとして成長する上で最も重要な要素だと思います。真剣にプレーした結果だからこそ、今の実力が分かり、今後どういう努力をしなければならないかが明確になります。
「本気出してない」
「やればできる」
などと言っていても、自分の本当の実力を知るタイミングを先送りしているだけです。 指導者が子どもに対して、叱ろうが茶化そうが目的はひとつしかないと思います。「子どもの力を最大限に引き出すこと」です。
子どもの力を引き出すことに効果がないのであれば、グラウンドで子どもを茶化すのはやめるべきだと思います。