たまには技術論の話を書きたいと思います。
何か変なタイトルですが、調子の上がらない投手に対して「腕を振れ!」と指示する指導者は多いです。確かに腕の振りが鈍く見えるのでしょう。しかし、この指示には以下の難点があります。
①腕だけを振ると制球の難易度が上がる
②腕だけを振ると腕への負担で故障リスクが高まる
③そもそも腕が振れてないことが原因ではない
「腕を振れ!」という指示ではあまり良い効果は出ないです。
ちょっと視点を変えてみましょう。打撃の時に 「腰で打て!」というアドバイスを耳にしますよね?腰の回転(正確には股関節を絞る運動)でスイングスピードを高めるためのアドバイスですね。同じ指導者が打者に対しては「腰で打て!」と言い、投手に対して「腕を振れ!」という。何か変だと思いませんか?
そもそも人間は腕よりも足の方が筋力があるので、足の力を使った方が強い運動エネルギーを発することが出来ます。投球の場合も打撃と同じで股関節を絞れば、上半身に慣性の法則が働いて腕は振れるようになります。この慣性の法則に任せて腕を振った方が、下半身と上半身のタイミングが合いやすく、制球も安定しやすいのです。
だから私は投手に「腕を振れ!」とは言わないです。 股関節を絞るように腰を回転させた方がよほど球威も上がります。 (う〜ん、文字で説明する限界が・・・)