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『動かない選手』は必ずどこかで破綻する


私は野球選手が成長するために最も必要なことは「動くこと」だと思います。

特に早期から「動く」を身につけている選手はその後の成長が早いと感じてます。

「動く」とは「瞬発力に長けている」とか「足が速い」といった運動能力を指しているのではありません。

たとえ足が遅くても「自発的な行動」「早期着手」「一生懸命走る」「一歩でも多く足を動かす」といった積極性や能動性を指します。

「動く」にはいろんな要素が含まれています。

①情報収集スキル

②情報処理スキル・思考力

③決断力

④行動力

この4つが揃ってこそ必要な場面で効果的に「動く」ができます。

促されて行動しているのは「動く」ではなく、「動かされている」だけです。

例えばグラウンドで「歩いている選手」と「走っている選手」は目的意識が違います。

目的やアテもなく走っている選手はほぼいません。「『いつまでに』『どこに』たどり着くか?」といった目的意識や目標達成意欲があるからこそ「走る」のです。一方で歩いている選手は漠然と時間を過ごしていたり、走っている選手よりも目的意識や目標達成意欲が弱いケースが多いです。経験上、そういった選手は仮に身体能力が高くてもどこかのフェーズで行き詰まります。

チームを作る時にも「動ける子」にリーダーを任せた時と「動かない子」にリーダーを任せた時では結果に大きな違いが現れます。私が監督であれば上手いか下手かは二の次で「動ける子」をリーダーに任命します。なぜならリーダーが動けば他の選手も動くし、動かないリーダーの元では選手全体の動きが緩慢になるからです。

リーダーの任命は「どんなチームを作るか?」というビジョンの問題です。罵声を浴びせて「動け!」と命令するよりも「どんな選手を評価するのか?」「どんな選手に重要な役割を担わせるのか?」を明確にし、競わせ、公正に評価した方がフェアなチームになります。

「みんな仲良く楽しく」だけを目指すのであれば人気者を、選手を奴隷のように扱うのであれば自分のお気に入り選手をリーダーにすれば良いと思いますが、技術的・精神的な成長を求めるのであれば「動ける選手」をリーダーに据えた方が結果は出やすいです。

「自発的に行動する」「積極的に行動する」「他人よりも行動量を多くする」を心がけた選手とその逆の選手で同じ時間を過ごせば、得られる経験も習得する技術の量も差は歴然です。


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