私は野球選手には「成長段階」があると思っています。
何となく頭にはイメージを持って選手と向き合っていましたが、自分の頭の中を可視化するために、今回モデル化してみました。
高度な技術を持った選手を育成していく上で、「どの段階にどんなことを修得させていくことが理想的か?」を考察しました。
私は教育の専門家でもないし、上記のモデルも学術的な裏付けがあるわけでもないのであくまでも「参考」として捉えてください。でもこれまでの経験上、この持論にはまずまずの自信はあります。
私がこのように図式化したのは「技術習得には順序がある」という思いをお伝えしたいと思って、ビジネスなどで使う「システム図」という手法で要素の因果関係を整理してみました。
野球選手は年齢とともにこの図の下から上に登っていくことで成長していきます。
一番底辺にあるのは「興味・関心の形成」です。学童野球指導者の方で「まずは野球の楽しさを教えたい」と言われる方が多数いらっしゃいます。私もそう思います。上記の図で言うところの「興味・関心の形成」「成功体験」に相当するものだと思います。私もこれらは比較的早期に形成することが、このあと必要な要素を形成していく上で礎になると考えています。
「好きこそ物の上手なれ」です。
そもそも「この図、何に使うの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
私は選手を見立てる時に「この選手はどの辺に居るか?」という選手のポジショニングを確認します。例えば「プレーの安定性がない=動作再現性が低い」と見立てた場合、その原因は「基礎技術」「持久力」「集中力」「経験不足」などが考えられます。原因が特定できれば、そこに立ち戻って指導をすることで「動作再現性」の課題を解決しようとします。
現象を指摘するだけでは指導ではなくて評論です。
原因まで立ち戻ることが絶対的に必要だと思うので、このような見立てをします。
次の段階に進みたい時は図の上へ、課題を解決したい場合は図の下に立ち戻って指導する、こんな考え方をしながら選手と向き合います。
この図を描きながら、今の少年野球指導における課題を感じました。
次回はそのことについてもう少し突っ込んだ考察を書きたいと思います。