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ベースランニングの組み立て方


今回は走塁のことを書こうと思います。

野球は点を取りあうゲームです。そして点を取るには1塁より2塁、2塁より3塁に居ればその後のプレーで得点が入る確率が高まります

私が子供の頃に所属していたチームでは「1プレー2ベース」という言葉がありました。「1プレーで1個進塁するのは当たり前。如何にして1プレーで2個以上の進塁を獲得するか?」ということを重視して走塁の練習を行なっていました。

「足にスランプはない」という言葉もあるように、走塁はかなり計算できる武器になります。もちろん足が速いに越したことはないのですが、ベースランニングの技術によってある程度までは足の遅さをカバーできますし、足が速くてもベースランニングが下手だとせっかくの俊足が活かせなくなってしまいます。

今回は「2塁打(=2つ進塁)」「3塁打(=3つ進塁)」のケースごとにベースランニングの走り方について解説したいと思います。

【前提】走塁は「最後の塁間」を速く走れるかどうかが重要

小学生や中学生は体力や脚力が十分ではないため、長い距離を走るほどスピードが落ちる傾向が顕著に現れます。例えば3塁打の場合、2−3塁間で急激に速度が落ちる選手が多いです。そしてスピードを落とさずに2塁打以上の距離を走るには「どこかで必ず膨らむ」ような走り方をしなければ大きな減速を生んでしまいます

まとめるとポイントは2点です。

①走路の膨らみが発生する回数を極力少なくする。

②最後の塁間を最速・最短距離で走る。

この2点を踏まえて「2塁打」「3塁打」の走塁を考えましょう。

【2塁打の走路】

2塁打の場合は上記の①②を踏まえて考えると本塁〜1塁の間で膨らんだ方が1-2塁間を最短距離で走りやすくなります。

具体的には左の青線のような走路で走ると最も速く2塁に到達できます。

指導者によってはバッターボックスからAの地点までを直線で走るよう指導される方もいらっしゃいますが、この区間を直線で走るとA地点で減速が不十分で1塁ベースを通過した地点で大きく走路が膨らんでしまうので、青線の走路が理想的だと思います。

【3塁打の走路】

3塁を狙う時は本塁〜1塁の区間で走路を膨らましてしまうと2〜3塁間でも同じく走路が膨らんでしまいます。

体力的に一番厳しい2〜3塁間の距離を少しでも短縮するためには敢えて1〜2塁間の走路を膨らませることで、2〜3塁間の減速を抑えることが3塁に最も速く到達する方法だと思います。

この走路だと膨らむのは1〜2塁間の1箇所に止めることができます。

現在のNPBで最も足が速いと言われている北海道日本ハムファイターズの西川遥輝選手も3塁打の時は赤線のような走路で走るそうです。

あと、ベースを通過した直後の走路の膨らみを抑えるためには「左足でベースの角を踏むこと」がセオリーです。足が合わない時は仕方ないですが、できるだけ小学生のうちから左足でベースを踏む習慣を身につけましょう。

あっ、あと忘れないで頂きたいのは、

絶対にスパイクを履いてベースランニングは行いましょう

運動靴ではベースを回る時に身体に傾斜をかけると転ぶので危険です。

投げる、打つ、走る・・・。

全て「足許」がしっかりしてないと良いプレーはできません。

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