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『フライボール革命』の弊害


今、MLBでは『フライボール革命』と呼ばれる現象が起こっています。データ分析が進み、極端な守備シフトを敷くチームが増えたため、「シフトの上を越える」という発想で、フライボールが肯定されているのだそうです。アマチュア野球でも昔ほど「ダウンスイング」「転がせ!」と言わない指導者が増えたと思います。技術的にも「レベルスイング」を提唱する指導者が増えていると思います。

私もこれらを否定はしません。私も打撃理論はレベルスイングを提唱しています。レベルスイングを推奨していく上で大切なのは「フライの質」だと思います。ところが最近、盲目的にフライを称賛する声が増えていることに危険さを感じています。フライには「良いフライ」「良くないフライ」があります。

今から書くことは私の私見です。これが正解という訳ではないかも知れません。参考程度にお読みください。

打撃はもちろん両手を使います。どちらの手が大事かと言えば、どちらも大事です。左右両方の手がバランスよく力が加わるところ(だいたいヘソの前あたり)で打つと一番力が加わります。いわゆるミートポイントですね。このポイントでボールを捉えた時のポップフライはあまり問題ないと思います。しかし『落とし穴』があって、このポイントよりもボール1〜2個分くらい手前でボールを捉えると、凄く高い確率でフライをあげてしまうポイントがあります。このポイントで打ってしまうと、たとえバットの芯で捉えても、右打者で言えば右手の押し込みが不十分なため、打球が飛ばなかったり、ライナーでもスライスがかかってしまいます。

私は投手でしたが相手打者の「フライの質」を見てその日の配球バランスを決めていました。 野球経験の無い方に「フライの質」を見極めるのは難しいかも知れません。野球に詳しい方に「今のフライの質はどうなんでしょう?」と質問してみると良いと思います。「フライの質」を詳しく説明してくれるのは技量の高い指導者だと思います。

長くなりましたが私も「フライボール革命」という言葉だけを捉えて「フライはOK」と言わず、きちんと「フライの質」を見極める打撃指導をしたいと思います。

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