top of page
  • Baseball-Knowledge

『不器用な選手』との向き合い方


今日は12/4に投稿した話の続編です。

選手の中には指導したことをすぐにマスターする選手と、なかなかマスターできない選手がいます。そして後者は概して『不器用な選手』と呼ばれます。別の言い方をすると技術修得が遅い選手は「センスがない」と表現されることもあります。

『センス』の話は以前語ったことがありますので、今日は『不器用』という話だけを書きたいと思います。

技術指導をする時、指導者は「こうやってやる」といった指導をすることで「目標を提示」します。「提示した目標にたどり着けない選手」が『不器用』と言われてしまうわけですが、たどり着けない原因って運動能力の問題よりも考え方の問題の方が圧倒的に多いように思います。

だいたい2種類あります。

①目標達成意欲

②「目標達成までのプロセス」の柔軟性

①はそもそも「教えたことをやろうとしない選手」、②は「結果が出ないやり方に固執してしまっている選手」です。当然のことですが、指導方法は①②で全く違います。 ①は悪意ある「やろうとしない」はなかなか改善が難しいですが、あまりそういう選手は居ません。むしろ「直ぐに教えたことを忘れてしまう」ことによって「何を目指しているかわからなくなる」というケースが多いです。こういう選手はあまりたくさんのことを教えても全部できなくなってしまうので、ひとつずつ確実に教えたことをクリアするまで粘り強く接することが重要だと思います。「できるようになった」という成功体験が重要だと思います。

そして②ですが、私が選手を診ている限り、『不器用な選手』は①よりも圧倒的に②の方が多いです。技術指導は「こうやってやる」というゴールを示すだけでなく、「ゴールまでどうやって辿り着くか」というプロセスも指導しなければなりません。しかしその「指導者が示したプロセス」に対するフィット感には個人差があります。はまる選手も居れば、はまらない選手も居ます。指導したことがうまくできない場合には、教え方を変えなければなりません。「あいつはできない」ではなく「教え方が違うんだな」と捉え、違う指導方法にトライすべきだと思います。

特に②のタイプの子って真面目な子が多いです。仕事でもそうですが、真面目な人って「結果を出すまでのプロセスの柔軟性」が低く、ひとつのやり方に固執しすぎて結果が出ないケースはよくあります。うまくできないのであれば、早くやり方を見直して再チャレンジに移行した方が早く結果が出ます。

②のタイプの選手を簡単に見捨ててしまうと「真面目な子が報われない」という風土に繋がってしまうので、どこか練習の雰囲気も悪くなってしまうので注意が必要だと思います。


閲覧数:30回0件のコメント

最新記事

すべて表示

「できること」をやる、「考えて」やる

活動自粛から2週間が経過しようとしています。 私は職場の方も在宅勤務に切り換え得られていることもあり、家に籠ることが多くなって、仕事は捗るものの、身体を動かす機会が減っているのでどうも調子悪いです。 こんな時、選手はどうしているのでしょう? うちの選手の中には数名、私に自主練習の動画を送ってきた選手がいます。 「今、こんなことを頑張ってます!」 「自己流になっている気がして。アドバイスください!」

『ルールを守る』ということ

先日、ボーイズリーグの指導者講習会に参加しました。外部講師の講演を拝聴する、まぁよくある講習会スタイルではありますが、講師の方がちょっと面白い話をされていました。 競技にルールが設けられるのはなぜか? これには3つの理由があるそうです。 ①きょうぎ中の暴力をなくす ②対戦チーム間の公平性を保つ ③難易度を高めて競技を面白くする 特に③は目から鱗でした。 これまで私は特に②の観点で「ルール遵守」を選

『テクニック』と『スキル』

野球には「投げ方」「捕り方」「打ち方」などがあります。 確率高くプレーを成功させ、故障なくプレーを継続させるためにはある程度の技術を習得することが必要となります。当然私もチームではこれらの技術は指導します。 これらはいわゆる「テクニック」です。 野球におけるテクニックは「身体の使い方」「道具の使い方」にほぼ集約されます。 球が速い、捕球が上手い、などは「テクニックが高い選手」と言えます。 一方、こ

bottom of page