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経験を超える「経験」

指導しているチームではほぼ冬練習を終えました。

数年前から感じていたことですが、現代の子どもは昔の子どもとは違います。


良い側面としては「情報処理能力が上がっていること」が挙げられます。インターネットサイト、Youtubeなどの動画サイト、SNSによる不特定多数との情報交換など我々の子ども時代に比べると大量な情報が流通している時代に育った子どもたちです。我が家の子どもたちもいわゆる「デジタルネイティブ世代」ですから、情報収集速度は速いです。

私の息子も野球をやっていました。野球歴は私の方が長いものの、今では息子から「これ知ってる?」とYoutubeを見せられながら新たなことを教わる機会もあります。


懸念される側面は運動能力の偏りが大きくなっているように感じます。外で遊ぶ機会が減っているせいか、多種多様な競技に触れる機会が減少していたり、我々世代であれば遊びの中で鍛えられた体幹が弱かったり、野球で言えば幼い頃から型にはめられて上手く行かない方法をずっと繰り返している選手も散見されます。


私は中学生を指導していますが、この冬は「体の能力を高めること」をテーマにトレーニングを指導してきました。「体の能力を高める」と言っても闇雲に厳しいトレーニングを課す(練習はそこそこ厳しいですが)わけではなく、アスリートとしての可能性を高めるために「様々な動きを取り入れる」を重視してトレーニングメニューを組み立てました。


①走力を高めることを目的としたハードルトレーニング

②30秒ごとに異なる運動に切り替えていくコンビネーショントレーニング

③股関節、特に腸腰筋強化を目的としたコーンポールジャンプ


など、これまで行っていなかったものも取り入れました。

これは以下のような構図を目論んで行いました。

一番効果が出たのは「走力」でした。


ベースランニングのタイムに明確な差が見られ、「足が速くなった」と本人が実感するだけで今まで躊躇していた走塁が、先日のオープン戦では果敢に次の塁を狙うなどの積極性に良い影響をもたらしました。まだ技術練習の量が十分ではないので結果は出にくいものの、打球速度も明らかに速くなっています。今まで抜けなかった打球が野手の間を抜けるなど、ここでも「可能性」に広がりが見られました。


厳しいトレーニングを課す側として、「トレーニングの成果を技術に反映させる責任」があるように思います。そのためにも私自身、技術指導のスキルをもっと高めないといけない、と感じます。「投げ方」「打ち方」「捕り方」「走り方」「考え方」など、あらゆる要素に反映させるためには指導者がスキルを高める必要があります。過去の経験則だけで指導できる時代ではないように思います。


歯を食いしばって厳しいトレーニングに取り組んできた選手に応えるためにも、私自身が「選手たちのこの努力を絶対に無駄にしない」という意欲を持って、新たな知識習得の努力を行い、技術指導スキルを磨きたいと思います。

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