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『目標達成意欲』と同じくらい大切なこと


以前、別の場所でも述べたことがありますが、最近の子どもは股関節が固いために、ボールを投げる時に踏み出した足のつま先が内側を向いてしまう選手が増えています。

うちのチームにも居ます。

そういう選手に「つま先を前に向けろ!」と技術指導する前に、「ボールを投げる時に踏み出した足がつっかえて投げにくいと思ったことはない?」とか「踏み出した足に体重をかけた時に膝が痛くならない?」と質問をすると、ほぼすべてのケースで選手は「ないです」と答えます。

私はこれが野球選手の故障を引き起こす大きな要因だと思っています。

スポーツ選手は「上手くなりたい」「勝ちたい」といった『目標達成意欲』を形成することが競技能力を高めていく上で必要だと思います。しかしこの『目標達成意欲』と同じくらい『ストレスを感じ取る感性』が重要だと私は思います。

例えば身体に負荷のかかる動作をした時に「引っかかる感じがする」とか「指のかかりが悪い」「どうも詰まったような感じがする」など「ベストパフォーマンスではない」という状態を『ストレス』として感じ取ることができなければ、選手は問題を自己解決できず、結果として「他者からの評価」に依存してしまう癖が付いてしまいます。

「監督・コーチが『こうやって投げろ!』と言っているから」

という理由で技術的に合理的ではない投げ方を強要されると、その選手は高い確率で故障します。その時に選手は「何か投げにくい」といった『ストレス』を感じ取ることができれば故障を未然に回避できる可能性は高まります。逆にこの『ストレス』を感じ取ることができなければ、その選手は故障するまで投げ続けるかも知れません。

「俺のいう通りにプレーしていればいいんだよ!」

という指導者のもとでは選手の『ストレスを感じ取る感性』は次第に麻痺します。ブラック企業で企業倫理が崩壊していくのとよく似ています。「おかしい」と感じることを「おかしい」と言える環境でこそ健全な企業倫理が形成されます。

「パフォーマンスの向上」「障害の回避」を両立させるためにも指導者は「合理的な技術指導」と「ストレスを感じ取る感性の形成」を両立させなければならないのではないか?と思います。

故障を回避し、長くプレーしていくためにはそんな要素も必要だと思います。だからこそ選手を育成する立場の指導者は、「技術を学び」「合理的に思考」し、「合理的な説明をする努力」が必要だと思います。


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