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「エースと心中」は潔い判断か?


選抜高校野球が佳境に入って来ました。

私は長崎の創成館高校の闘いぶりに目を惹かれました。

昨秋の九州大会を制し、明治神宮大会では大阪桐蔭を破って決勝まで進出。今大会も5投手の継投で勝ち上がり、ベスト8に進出しました。

「エース不在」という声も聞かれますが、私は監督の「選手への信頼」と「(継投への)決断力」が素晴らしいと思います。高校野球は負けたら終わりのトーナメント戦ということもあって「一番良い投手で勝負する」ために「エース」と呼ばれる投手が多投する傾向があります。時には控え投手と大きな差がないにも関わらず、無理やり「エース」を決めて、その「暫定エース」を酷使するケースもあります。勝負が決まった後に控え投手が出て来て好投する、なんてことも珍しくはありません。

「継投で勝つ」とは「エースがKOされても試合を捨てない」とも言えます。現に創成館は智辯和歌山戦で9回にエースナンバーをつけた投手が同点打を打たれ、更に得点圏に走者を背負った状態で「背番号17」の投手を登板させてピンチを凌いでいました。投手出身の私にとって「背番号1」はとても重いものです。私だったらあの場面で投手を交代させることはできなかったと思います。

「力は同じくらいだけど特徴が違う」とか「力は少し劣るけど、特技を持っている」という投手はよくいます。適性を見極め、適性に応じた場面で起用する。選手を多面的に評価し、知り尽くした監督だからこそできる采配だと思います。

「エースと心中」の監督は潔いとも言えなくはないですが、それ以外のオプションを持たないという点では継投を駆使する投手よりも作戦レベルは低いように感じます。「エースが降板しても勝てる」というオプションを作ることが投手の負担軽減にもつながると思います。


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