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書籍紹介「二遊間の極意」


私の現役時代と比較して、現代は左打者が増えたこともあって漠然と「二塁手の守備に対する負荷が上がっているよなぁ」と思っていたので、ちょっと前に発刊された本ですが、立浪和義氏の著書「二遊間の極意」を読みました。

立浪氏の解説はいつも目の付け所が面白いです。

確か、彼が現役を引退して解説者1年目くらいの時に外野手の守備についてとても興味深いことを言っていました。

「外野手がフェンス側の打球を追いかけている時に、天然芝の球場はフェンス側のウォーニングゾーンが土になっているので足の感覚で『フェンスが近づいている』と分かりますが、人工芝の球場はウォーニングゾーンも人工芝なので、足の感覚ではわからないのでフェンス側の打球の守備が難しいんです。」

テレビ観戦をしていた私は「確かに!」と感心してしまいました。

こういう素人にも分かりやすく、野球関係者にも為になる解説ができる人ってとても素晴らしいと思い、それ以来、彼の解説や著書には関心を持っています。

今回読んだ「二遊間の極意」という本は、現役時代に二塁、三塁、遊撃でゴールデングラブ賞を受賞した立浪氏ならではの視点で、技術面での解説が厚めに書かれています。また、現役選手のインタビューでも興味深いヒアリングをされています。

●制球力のよくない投手が投げる時は1-2塁間が荒れやすい

●良い内野手は球離れが早い(=長くボールを持たない)

●足を使ってスローイングしない遊撃手は肩を痛める

●井端選手はグローブを落として構えるのが早いのが好守の秘訣

●ベースタッチは膝を使って素早く

●一流の野手は人工芝のグラウンドでベースの近くを避けて歩く

●スローイングは軸足のくるぶしを投げる方向に向ける

●衰えは足からくるので、若いうちでできるだけ動く

挙げるとキリがないのですが、この他にもプロ野球選手に限らずアマチュア選手にとっても有意義なノウハウが多数記載されていました。

昨今は内野手のバックハンド捕球を推奨する指導者も増えましたが、彼も「逆シングル(バックハンド)は使ってもいいが、安易に使ってはいけない。まずは足を動かすこと」など、捕球もスローイングも「下半身の重要性」に何度も触れていました

肩の故障による二塁への転向、その後三塁や外野も経験しながら22シーズンもの間、第一線で活躍した立浪氏だからこそ、という記載も数多くありました。

「自分の知識や経験を言語化する」って難しいんですよね。

私は野球選手が野球指導者になる為には、野球を

●「頭で理解」すること

●「体を使って表現」すること

●「言葉を使って伝達」すること

この3つが必要だと思います。

私は立浪氏と同い年です。これから身体は衰えていきますが、まだまだ頭を使って野球を勉強して、言語化する努力を継続しなければならない、と決意を新たにさせてくれる一冊でした。立浪さん、ありがとうございました。

※こちらで紹介した書籍は「おすすめ書籍」コーナーにも掲示いたしました。


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