野球の「マウンド」は規定によって高さや傾斜が厳格に決められています。
ちなみに私が高校生の時、日本のマウンドの高さは15インチでしたが、1988年に国際ルールに合わせて10インチに改定されました。それまでは傾斜角度などは規定がなかったのですが、1988年のルール改定の際に、かなり厳格に規定されましたが、整備状態の違いなどにより、実際はマウンドの傾斜は球場ごとに異なります。
また、ブルペンとグラウンドの傾斜が異なる球場も多数あります。
【マウンドが投手に及ぼす影響】
「マウンドがない場所で練習した投手がマウンドに上がると、マウンドの高さの分だけボールが高くなる」と思っている方がいらっしゃいますが、それは間違いです。
もともとマウンドの傾斜がないところで練習している投手がマウンドに上がると、理論上はボールを叩きつけてしまいますが、実際にはボールが浮く投手の方が多いです。これは傾斜によって体が突っ込むことでボールのリリースが早くなってしまうのが原因です。
投手はどんなマウンドで投げようが結果を出さなければなりません。ブルペンと実際のマウンドで形状が違う球場も少なくないため、試合の中で調整することが求められます。そんな中で結果を出すためには「マウンドの傾斜差の影響を受けにくい投げ方」を習得する必要があります。
【傾斜差の影響を受けにくい投げ方】
球場ごとに異なる「マウンドの傾斜」「マウンド自体の有無」が制球力に影響しないようにするには投げ方の工夫が必要です。
一気に「ドーン」と踏み込んでしまうと、着地の衝撃で目線がブレやすく、足腰の弱い小学生の場合は特に制球を乱しやすくなります。着地のタイミングが傾斜によって微妙にずれることは、腕を振るタイミングのズレにも影響します。
そのような状態を回避するためには絵のように踏み出す足をすり足気味に「探るように」踏み出すことでマウンドの傾斜の違いを掴みやすくなります。
小学生投手には「マウンドが苦手」という子が結構います。
仕方ないですよね。まだ足腰が弱いんですから。
日本の球場はマウンドが柔らかいので、試合の最初と後半でもマウンドの傾斜は異なります。球場ごとに、そして試合中も形状が変わるマウンドで結果を出し続けるためにはこのような技術も身につけておくと制球が安定しやすくなります。