最近は小学生でも肘を痛める選手がたくさんいます。
我々が子どもの頃にも居たのですが、最近は投球過多とは思えないような投手や普通にプレーしているだけの野手でも肘を痛める選手が増えたように思います。
ただ実際にプレーを見ていると「こりゃ肘を痛めるわ」という投げ方をしている選手は結構います。
技術的には写真のようなトップで肘が肩よりも下に位置する選手は肘の内側じん帯を損傷する確率が極めて高いです。
でも近頃は野球指導者じゃなくてもこれくらいのことはわかっていると思うんです。でも故障は減らない。
要因が分かっていても対処がわからなければ故障を回避することはできません。
今回は新しく登場した3D人形を使って「肘の上げ方」を説明したいと思います。
これができていると肘を故障する確率はかなり下がります。
【肘が下がらないトップのつくり方】
まずはこちらをご覧ください。
よく①の段階で「肘を垂直に上げろ!」と指導する方がいらっしゃるのですが、はっきり言って間違いです。この位置から肩関節の構造上、肘は垂直に上がりません。厳密にいうと上がるんですが、ボールが赤い点線よりも前に出てしまうので身体が早く開いてしまいます。身体の開きを抑えながらトップをつくるには、ボールを赤い点線に沿ってリフトアップすることです。
そのコツは肘を斜め後ろに引っ張り上げるとボールは垂直に上がります。
この点線に沿ってボールを上げると、投手の場合は「打者からボールが見えにくい」という利点もあります。
④→⑤の段階で肩甲骨を寄せるようにして胸を張りながら身体を前に向けると肘は勝手に出てくるので、無理なく腕が振れると思います。
①〜③では僧帽筋や三角筋を使って肘を引っ張り上げるのですが、小学生はこの筋力が弱くて球数が増えると肘が上がらなくなってきます。中学生でも疲れが原因で肘が下がる投手をよく見かけます。
この動きは後ろから見るのが一番わかりやすいので、選手の後ろ側に立ってコーチングするのが良いと思います。