今週末は連休です。試合のチームもあれば練習時間を長くとれるチームもあるでしょう。そこで今一度、キャッチボールを見直して欲しいと思って書きます。
キャッチボールには「投げる人」と「捕る人」がいますが、今回言及するのは「投げる人」についてです。そして「投げ方」などの技術的視点ではなく、「目的」や「留意点」といった「目標設定」「モニタリングポイント」に近い話です。
【キャッチボールの目的】
投げる人にとっての「キャッチボールの目的」は送球の練習です。
送球とは「球を送る」わけですから受取手が居て、上手にボールを渡すことができてこその送球です。相手が受け取れなければ「送球」ではありません。
相手が上手いか下手かは関係ありません。
相手の技量などを考慮しながら思いやりの心を持って投げることができない選手は、将来的に「近距離でハーフスピードの送球が投げられない」など技術的な課題が必ず顕在化してきます。
「速い球を投げること」よりも「相手を想う心」から創りましょう。
【キャッチボールの留意点】
シンプルに一番大事なことは「狙った場所に投げること」です。
当たり前ですよね。それでできたら苦労はありません。
特に小学生はうまく投げられないと思います。
私はキャッチボールに「理想」と「許容範囲」があると捉えています。
理想的には左の絵にある赤い薄網の部分に投げて欲しいです。具体的には
①上下は「肩〜ベルトの高さ」の間
②左右は「相手の肩幅」の範囲
「理想」と「許容範囲」という言葉の使い分けをしているのは意味があります。
私は小学生の場合、上下に送球がズレるのは構わない(仕方ない)と思います。身体も成長していて感覚も日々変わると想うので、一時的にボールが高めに浮き始める時期もあります。力加減などの感覚も知能の発達とともに鋭くなっていくので、たまにワンバウンドを投げたりするのは仕方ないかな、と思っています。
一方で「左右にズレる」のはダメです。
キャッチボールの球が左右にズレるのは、明らかに技術的な課題があるケースが圧倒的に多いからです。「足の踏み出し位置」「肘が下がる」「手足のタイミングが合わない」などが挙げられます。またボールが指先にかかっていない(ちょっとシュート回転をするくらいなら許容範囲ですが)可能性も高いです。
これらを放置すると技術的な成長速度が遅くなるだけでなく、故障に発展するリスクもあります。そしてキャッチボールの球が左右に逸れる選手に多いのは「背中が丸くなっている」もしくは「背中が反りすぎている」ことが多いです。
この週末、背筋を伸ばしてかっこよくキャッチボールをして欲しいです。