この写真はご存知、オリックス・金子千尋投手です。 彼のインタビュー記事を見ていると「自分が体の使い方を間違わなければ全ての球種を思い通りにコントロールできる」という類の言葉をよく見かけます。豊富な球種を自在にコントロールできる高い投球技術は素晴らしいです。
彼の素晴らしさは「下半身の使い方」にあると思います。
ご紹介している写真はその典型的な現象です。彼の何が凄いかお分かりになりますか? この写真の時、金子投手の右足の裏が完全に天井を向くくらい腰が回転している状態ですが、彼の右肩はまだ後ろに残っています。恐らくここまで下半身先行で投球する投手は金子投手くらいだと思います。
下半身が先行になると、下半身によって上半身が引っ張られるように動き始めるので、結果として上半身と下半身のタイミングが合いやすく、上下のバランスが取りやすいという特性があります。これが上半身主導だと上半身の動きに下半身を合わせなければならないので、上下のタイミングがズレやすくなります。
物理で言えば下半身は「支点及び力点」で上半身は「作用点」です。支点と作用点の距離が長くなれば大きな力が出ます。それが「てこの原理」です。
体格に恵まれないジュニア世代の選手は全身を使ってプレーするためには「下半身主導」でプレーすることが望ましいと考えられます。