小・中学生の間でも話題に登ることがある清宮幸太郎選手の「高校通算本塁打数」。皆さんはどう思われますか?
私は「素晴らしい」と思います。 高校入学以来大きな怪我もなく試合に出場し続けて、100本近い本塁打という結果を出し続けてきたこと。対戦相手や出場機会を選べるわけでもない高校生が目の前の投手に挑み続けて積み上げた記録はそれだけでも価値があると思います。
しかし本塁打数が増えるにつれて、インターネット上でも「高校通算本塁打記録の価値」について議論されることが多くなりました。
そもそもアマチュア野球全般に言えることですが、同じ世代であってもチームごとに競技環境(グラウンドの広さ、対戦相手の力量、試合数など)が違います。厳密に言えば風速、湿度、標高でも打球の飛距離や変化球の質にも差が出るので、数字で選手の優劣を証明することは不可能に近いと思います。
だから「数字で清原選手や松井選手と比較はできない」という声には私も賛同します。しかし「練習試合を含めた数字に意味はない」という声には疑問があります。それは上に書いたような理由からです。ちなみに清宮選手の公式戦通算本塁打は21本(2017年6月3日現在)だそうです。数字「だけ」で言えばこれは昨年のセントラルリーグ本塁打王である筒香嘉智選手の高校時代を既に上回っています。
数字を使ってアマチュアの選手を比較しようとするから「この記録に意味があるのか?」という意見が出るのではないでしょうか?「凄いよね。でもこの数字は他の選手と比較するための数字じゃないんだよ。」で良いのではないでしょうか? 私の大学時代には「リーグ戦通算351奪三振」という記録が残っています。目の前の打者に対して真っ向勝負を挑み、積み上げてきたこの数字は競技者としての誇りでもあります。この数字は当時はリーグ記録でしたが、表彰された時から「他の選手と自分を比較するための数字ではない」と思っていましたし、今でもそう思っています。 清宮選手もそんな気持ちでは?と勝手に想像しています。