今日の朝練はいつもと少し違う打撃練習を行いました。
いつもは打者の斜め前からサンドボールをトスアップして打たせるのですが、今日は逆。斜め後ろからボールをあげて打たせました。これ中学生には難しいようです。
いつもは気持ち良くバットを振っていた選手も、肩越しから来るボールに戸惑いながら少し窮屈そうに打っていました。まあ、このメニューを課している私が「窮屈に打たせる」を目的にしてましたから、当然といえば当然のことです。上手く打てないせいなのか、選手は口数も少なく、首を傾げながらも何とかしようと工夫しながら振っていました。
練習中にこんな話をしました。
「現役時代に投手だった俺は、いつも『どうすれば打者にフルスイングさせないようにできるか』と考えて投げていた。打者を観察して苦手なコースを探し、配球を工夫していたのもフルスイングさせないためだ。打者は『思い通りにならない』というストレスと戦わなければ投手を攻略することはできない。この窮屈さに屈することなく向き合え。そうしないと『打たせたくない』という思いを持って向かってくる投手を攻略することはできない。」
打撃って野球の中で一番「思い通りにならないもの」だと思います。プロ野球の良い投手の被打率は2割前後(=8割近く打者を抑える)、上手な内野手の守備率は9割5分以上、捕手の盗塁阻止率も5割を超えます。しかし良い打者の打率は3割。数字で見ても一番思い通りにならないのです。
「なかなか上手くいかない」というストレスは野球以外の場面でも直面すると思います。「簡単に上手くいかないから面白い」という気持ちを創ること。挑戦心にあふれた選手を輩出するために絶対必要な「心創り」だと私は思います。