• Baseball-Knowledge

『大恩人』との忘れ難い思い出


今日はちょっと昔話です。 私は高校時代は普通の投手でした。一応全国大会にも出ているのでそこそこ勝てる投手だったのですが、球威・制球・変化球とも全国トップクラスには程遠い選手でした。

でも大学時代に選手としての私の視界を一変させた大恩人がいます。清水一夫さん(故人)という関西地方ではかなり有名な投手育成のスペシャリストです。大学1年の時に知人の紹介で彼が指導していた社会人野球チームのグラウンドを訪れた時のことです。彼は投球練習を終えた私に

「キミは持っている力を持て余している。こんなレベルで燻っている素材ではない。しばらくここに通いなさい。必ず良い投手にしてみせる。」と言いました。

それから私は冬の間、定期的に彼の元を訪れました。練習はとても厳しかったです。いつも足も腹筋もパンパンに腫れあがり、気が遠くなりそうな反復練習の繰り返し、その中で彼は「トレーニングをやり遂げる執着心」「投手にとっての反復運動の大切さ」「合理的に身体を動かすことの大切さ」を何度も説きました。

「投手にとって『同じ動作を繰り返す』というのはとても大切なことなんだ。反復練習の精度にこだわれ。強い球を投げられる身体の動かし方を理解し、繰り返し練習することで精度高く再現できる。キミにはその能力がある。絶対に凄い投手に生まれ変わることができる。」彼は私に何度も何度も同じことを言いました。

カーブは『投げる時の考え方』から変えろ。」 比較的得意な変化球だったカーブは根本から否定されました。とても丁寧な指導を受け、自分の投げるカーブが如何に邪道だったかを痛感しました。何を教わったか?詳細は秘密です。もちろんうちの選手には教えますけど。。。笑

私のカーブは桑田真澄氏と同じ系統の曲がり方をします。自分で言うのも何ですが、私のカーブは野球経験者でもびっくりするくらい曲がります。うちの選手では捕れません。そりゃそうです。師事した人が同じ清水氏ですから。

冬が過ぎて大学2年の春。ストレートの球速は140km/hを超え、ストレート、カーブどちらでも三振が取れるパワーピッチャーに生まれ変わることができました。リーグ戦で最多奪三振の記録も樹立しました。しかしもっと有益だったのは、投手は技術よりも考え方の方が大切だということを確信できたことです。

もう彼の指導を受けることはできません。

アマチュア野球史に残る名伯楽の理論、技術、熱意を少しでも次の世代に語り継げるような指導者になりたいと思います。

#執着心 #反復練習 #合理性

閲覧数:766回0件のコメント

最新記事

すべて表示

週末は春の公式戦に向けた最後のオープン戦を行うために千葉県まで遠征しました。 うちにある故障中の1年生選手がいます。 最近、腰痛によって戦線を離脱しました。今回の公式戦出場は難しく、今回の遠征も帯同はしているものの、試合出場は見送ることにしました。 球場に到着して、鍵が開くまでの間、選手は球場周辺のスペースを使ってウォームアップを行います。当然私は選手のコンディションを診るためにアップを注視してい

「企業」は経営者と労働者が存在し、労働者は「労働」と「対価」のバランスによって成り立っています。対価(=給料)を貰うために労働が求められ、組織全体の生産性を高めるために会社の規則を遵守することを求められます。対価の代わりに何かしらの「権利」によって労働が報われる場合もあります。つまり労働者が「権利」を主張するのもその背景には「労働」があるからこそ成り立ちます。「労働者」「経営者」それぞれにプロフェ

子どもは周辺にいる大人の影響を受けて成長します。 何事においても一番近くにいる大人といえば「保護者」ですし、学業であれば学校の先生、野球であればグラウンドにいる指導者かも知れません。 「私は我が子を甘やかしています」と公言する保護者はほとんどいないと思います。「立派な人に成長して欲しい」という想いを持って、時に優しく、時に厳しく育てていると思います。 さて「厳しさ」とは何でしょう? 「あれやった?