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”おっきな子ども”を輩出したい


グラウンドで笑う、泣く、指導者をしているといろんなシーンに出くわします。どのシーンにも意味があり、背景がある。

野球は心理戦の要素もあります。本来は感情を押し殺して、常に冷静にプレーすることが理想です。しかし、私は子どもの頃にはグラウンドで感情をあらわにし、泣いたり笑ったりしても良いのではないかと思っています。

感情を押し殺すことはそれほど難しくありません。 「感じること」をやめてしまえば、怒ったり泣いたりすることはなくなります。悔しいからこそ、その悔しさを二度と味わいたくないから努力する。嬉しいからこそ、また嬉しさを味わうために努力する。

「感じること」の感性を磨いてこそ、努力ができて、他人の痛みが分かる人間になれるのではないかと思います。

子どもには大人のような物分かりの良さは必要なく、子どもらしい豊かな感情こそが必要だと思います。感情をコントロールすることは、豊かな感情を蓄えてからでも良いのではないかと思います。

泣いたって良いじゃないですか。子どもの涙を抑え込むのが大人の役割ではなく、悔しさを乗り越えて、次に喜びを掴む手引きをすることこそが大人の役割だと思います。

私が育てたいのは『ちっちゃい大人』ではなく、『おっきな子ども』だからです。


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