人がモチベーションを保ち、成長を持続するためには「成功体験を積むこと」は重要な要素です。「成功体験」は自信を高め、再び挑戦するモチベーションを形成する効果をもたらす要素のひとつです。
しかし、その「成功体験」は成長を阻害するケースもあります。まさに「諸刃の剣」とも言えるでしょう。そしてそれは指導者にとっても言えることです。
例えば、ある指導者が一生懸命選手を指導し、育てた選手の中でプロ野球選手が誕生したとしましょう。これは彼にとって「指導者としての成功体験」です。ところが「俺はこうやって●●をプロに導いた」とその時の指導法に固執すると、場合によっては選手を潰してしまうかも知れません。人は身体的にも精神的にも千差万別だからです。その指導法が必ずしも全員に適しているかと言えば「No」です。
指導者は優れた選手を輩出することも大事です。そして世間は「●●を育てた」など輝かしい成果に眼を奪われます。しかし多くの子どもたちを預かる限り、一握りの優れた選手を育てることと同じくらい「多種多様な選手に対応し、確率高く成長に導く」ということにこだわるべきではないかと思います。
そのためには過去の成功体験に囚われず、常に指導者として進化を続けなければなりません。成功体験の種類が多い程、「確率高く選手を導く指導者」に近づけるのではないかと思います。 私も自分の持論に固執せず、皆さんのご意見や体験を伺いながら、指導者として成長していきたいと思います。