学童野球においては「状況判断ミス」「サインの見落とし」「ルールに対する理解不足」など、「直接的なプレー技術以外での要因」でチームに不利益をもたらすケースは多々あります。
これらは努力すれば克服できるものなので早期に改善したいです。原因を把握するためにも本人から話を聞きたいところですが、自発的に原因を話せるような子はそういうミスはしません。指導者に「聞き取りの能力」が問われますが、ここに「落とし穴」があるのです。
例えば2アウト2塁で緩い当たりのレフト前ヒットが出たとします。2塁走者の足を考えれば十分に本塁に生還できるケースでしたが3塁に止まりました。
その時に走者にとって「肯定的」「否定的」それぞれの仮説を持って質問した場合は以下のようになります。
(肯定的仮説)「今日はどこか身体の調子が悪いの?」
(否定的仮説)「ちゃんと全力疾走したのか?」
人間って自分に対しての「肯定的な仮説を否定する」方が「否定的な仮説を認める」よりも心理的ハードルが低いのです。「肯定的な仮説」をぶつけ続けると警戒心が解かれます。一方で否定的な仮説をぶつけ続けると、どんどん心を閉ざしていきます。これは大人でも同じ傾向があります。
選手に対して「肯定的な仮説を立てる」ことは良好なコミュニケーションを形成する第一歩だと思います。