野球で言う「トップ」とは投球及び打撃動作の中で、「最も手の位置が高くなる場面」を指して「トップ」または「トップ位置」と表現します。
投球動作で最も重要な「リリース」、打撃動作の中で最も重要な「インパクト」の準備動作でもあります。
最近の小学生を診ていると、この「トップ」の動作が不十分な選手が極めて多いと感じます。投手の場合はトップの取り方が浅いためにリリースの時に肘がしならない。打者の場合は投手側の足を踏み出した時にはスイングに入り始めていて、トップのタイミングがあっていない選手が多いです。
「トップ」が不十分だと打撃では「懐の深さ」が保てず、変化球が打てなくなる傾向があります。小学生のうちは変化球はないので大きな問題を感じないかも知れませんが、中学生になって相手投手がスライダーを投げ始めると急に打てなくなります。
同時に「トップが浅い打撃」は助走なしで幅跳びを跳んでいるのと同じなので、打球の飛距離も出ません。
投球では球速が上がらないだけでなく、肘が下がったままでリリース動作に入るため、肘を痛めるリスクが高まります。ボールのシュート回転が直らない子の多くはこの「不十分なトップ」が原因となっていることが多いです。
「トップ」の動作が足など、他の部位の動作とタイミングが合っているかどうか、小学校低学年の間に丁寧に指導することが望ましいと思います。