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『可能性拡大』と『再現性』のジレンマ

今朝も『朝練』をやりました。

もちろん全員マスクを着用。


朝6時から7時までの1時間、ひたすら三度ボールを使ったロングティーを繰り返す練習ですが、たった1時間の間でも選手を観察しているといろんな気付きがあります。


今はできるだけ自主的に練習させるためにボールを投げるのも選手にやらせていますが、5〜6mの距離を下からトスアップするだけでも投げるボールの速度やコースには結構な「ばらつき」があります。まだ「動作の再現性」が低いんですね。


このブログでも「動作の再現性」については何度か触れたことがありますが、野球における動作の再現性を高める要素としては「技術」「体力」「集中力」の3つの要素が影響すると捉えています。


●「技術」

「良い動作とはどういうものか?」を頭でしっかり理解し、頭で理解した通りの動作ができるように体の動きをコントロールできるかどうか?技術を理屈から説明して理解を促し、理解した技術と実際の本人の動作とのギャップを明確にして、理解した理論と自分の動作を一致させていくことで技術は向上していきます。


●「体力」

特に筋力が必要な動作を繰り返す時に、筋力や持久力の低下が原因で同じ動作が繰り返せず、形が崩れてくることがあります。「反復練習」は概ねこのためにやっていると思います。


●「集中力」

細部までこだわり、意識を高く持って繰り返すことができるか?技術や体力があっても集中力を欠くことで「ツメの甘さ」が出ることがあります。これは野球の練習だけでは養えないように思います。普段の生活態度なども影響するように思います。


私は選手を診る時にこの3つの要素が「どの段階にあるか?」がその後の指導を決める上でとても重要ではないかと思います。「技術」に対する理解が不十分な状態で過剰な反復練習を課すと自分で考えず指導者の評価ばかり気にする選手になりますし、「体力」が不十分な選手に過剰な反復練習を課すと故障に繋がります。「集中力」を欠いた状態で反復練習を課しても効果は薄いです。


3つの要素を欠いた状態で再現性を要求するのが「型にはめる」だと思います。

「型にはめる」指導は選手の個人的な特性に対する考慮は必要ないので指導する側は楽です。はまれば結果もでます。しかし前述のような理由であまり有益な指導法ではないように感じます。年齢の低い選手ほど3つの要素は低くなるのでより顕著です。


小中学生は知能の発達や体格の変化でプレーが劇的に変わる時期なので、あまり型にはめずに伸び伸びとやらせて可能性を引き出してあげたいですが、伸び伸びやると再現性は落ちて結果は安定しません。指導する側としては「可能性の拡大」と「再現性」のジレンマが発生します。


「可能性拡大」と「再現性」の両立に悩む日々です。

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